ドラゴンボールに見る因果応報

 今回は、漫画「ドラゴンボール」を通して、因果応報ということを見てみたい。

 「ドラゴンボール」が、どんな漫画か知らない人は前回の記事、

 「ドラゴンボールの最高な終わり方」

https://bs-pm.hatenablog.com/entry/2020/09/29/114836

 を参考として、先ずは読んで頂きたい。

 

 今回、題材として取り挙げるのは、孫悟空クリリン亀仙人の弟子となって、修行を開始する際に起きた出来事である。

 亀仙人は足元の適当な石を拾って、持っていたペンで「亀」と書き、いきなり崖下に放り投げた。そして、以下の条件で悟空とクリリンを競わせた。

1.崖下に落とした石を見つけだし、亀仙人の元に持ち帰った方を勝者とし、敗者は夕食抜きとする。

2.制限時間三十分以内に、石を発見して持ち帰れない場合は、二人とも失格として夕食抜きにする。

 

 崖下への回り道を探そうとするクリリンを横目に、悟空は躊躇なく崖を飛び降りて、石が落下したジャングルに入ってゆく。悟空は元々、山奥で一人で狩猟生活を送っていたので、この様な状況での迅速な移動に慣れていたのだ。ジャングルにはどういうわけか、恐竜が生息していた。我が身に降りかかる危険という観点で考えれば、命がけで石を捜すよりも、夕食抜きで一時的な空腹に耐える方が、ずっと利口な考え方である。(笑)

 ここでクリリンが、ずる賢い行動を起こす。崖下のジャングルで、石ころ一つを見つけ出すのは不可能だと思い、亀仙人が放り投げたのと同じ位の大きさの石を拾い、近隣の民家でペンを借り、自分で「亀」と書き込んだのだ。そして、いかにも苦労して石を見つけて来た風を装い、亀仙人に手渡した。

 しかし、自分の字ではないことを即座に見抜いた亀仙人は、渡された石をクリリン目掛けて投げつけ、追い返した。クリリンは仕方なく石の捜索に戻るのだが、早速ここで一つ目の因果応報である。不正で勝負に楽して勝とうとした原因により、見抜かれて石を投げつけられ、叱責を受けるという結果が出たのだ。

 その後、悟空が石を見つけ出したところにクリリンが現れた。クリリンは、悟空が見つけたのが、本物の石かどうか確認するフリをして、隙を見て石を奪って逃げ出した。追い掛けてきた悟空と、取っ組み合いになるものの敵わず、降参して石を遠くに放り投げたが、それは亀仙人に見抜かれた偽物だった。悟空は騙されて偽物を追い掛けに行ってしまったのだ。

 まんまと悟空を払い除けたクリリンは、本物の石を亀仙人に渡して、夕食にありつくのだった。漫画には、亀仙人・ランチ・クリリンが美味しそうに夕食を食べるすぐ側で、お腹を空かせた悟空が立たされるという、なんとも可哀想な描写があった。

 さて、ここで二つ目の因果応報である。ランチが調理したフグ料理が原因で、食べた三人全員が、食中毒を起こしたのである。

 この事は、亀仙人クリリンの、二人の立場から見てみよう。

 

1.亀仙人の立場

 子供にハードルを課し、成し遂げられなければペナルティーを与える。しかも、美味しそうに食事をする姿を、側に悟空を立たせて見せつけているのだ。これはもう虐待と言われても仕方がない行為だろう。この様な原因により、食中毒を起こして苦しむ結果となった。

 

2.クリリンの立場

 亀仙人に偽物の石を見破られ、悟空から本物を奪い取り、追い詰められて取っ組み合いに負ければ、偽物を放り投げて悟空に掴ませる。ここまで悪知恵で人を欺いて、やっとありついた夕食だったが、それが原因で、亀仙人と同じく食中毒で苦しむ結果となった。

 

 これは、漫画の中の話だが、現実世界にも因果応報は必ず存在すると、僕は思っている。

 「天網恢恢疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず」

 という言葉がある。天の網の目は一見、粗い様に見えるが、悪人を漏らさずに捕らえるという意味で、つまり、悪事を働いた者には必ずその報いがあるということである。

 因果応報を見る上で、とてもわかりやすかったので、「ドラゴンボール」のストーリーを通して記事を書かせてもらった。

 自身も日頃の言動には注意したいものである。

 

 今回は以上。

 それではまた!