「マッカートニーIII IMAGINED」に感じること

 本年(2021年)7月23日に、「マッカートニーIII    

IMAGINED」というタイトルのアルバムが、発売される予定である。

 今作は、昨年(2020年)12月にポール・マッカートニーが発表したアルバム「マッカートニーIII」を、様々なミュージシャンが、カヴァー・リミックス・再構築した作品とのことで、その人選はポールが自ら行っているそうである。因みに、参加したミュージシャンを一部挙げれば、アンダーソン・パーク、ベック、セイント・ヴィンセントなどだそうだ。

 因みに僕は、このアルバムには全く興味が湧かず、今の時点で購入するつもりもない。それは、根っからのファンとして、ポール自身が作曲し、ヴォーカルをとることに大きな意義を感じているからである。2014年には、様々なアーティストがポールの曲をカヴァーしたトリビュート・アルバム「Art of McCartney」が発売されたが、上記の理由で全く感心がなかった。

 まして「マッカートニーIII IMAGINED」は、それぞれの参加アーティストのスタイルで、曲に手が加えられるようなので、個人的にはポールが発表した作品とは、かけ離れたものになってしまうのではないかと考えている。

 

 次に日本においては、今作を購入した人の中から抽選で、ポールの直筆サインが5名に当たるというキャンペーンについて、思うことを述べてみたい。僕は、このキャンペーンのことを知ってとても残念に思い、ガッカリしてしまった。これでは、僕のように今作に全く興味がなくても、ポールのサイン抽選への応募券欲しさで購入する人もいるだろう。

 思えばビートルズは、

 "ファンに二度買いをさせたくない"

   との気遣いから、シングルは基本的に、アルバムに収録しなかった。そして、自分達が作り出す楽曲の質だけで勝負し、世界一のバンドにまで登り詰めたのである。

 ポール直筆のサインは、ファンであれば喉から手が出るほど欲しい。しかし、もしそれ自体が、アルバム購入の動機になってしまったとしたら、いかがなものだろうか。勿論、形としては商売になるわけなので、発表したアルバムが売れなければ話にならないのだが、もしジョンがこのキャンペーンを見たら、一体どのように感じるだろうかと考えてしまった。

 

 今回は以上。

 それではまた!