都市づくりゲーム・シムシティ

 今回は、プレイヤーが市長となって自由に都市を作っていくシミュレーションゲームシムシティスーパーファミコン版の概要や、僕がプレイしてみての感想をお伝えする。

 本作は1991年に発売され、90万本以上を売り上げたヒット作品である。

 

 ゲームモードは、「練習」・「最初から」・「シナリオ」の3つである。

 

 ●練習

 指定されたマップで、5年以内に人口3万人を達成する事がクリア条件で、ゲームシステムを理解してコツを掴むための、文字通り「練習」である。

 

 ●最初から

 1000個ものマップの中から、自分が都市を作る場所を1つ選び、自由に都市を発展させていく。人口の増加に伴って、都市の名称が以下の通りに変わっていく。

 

 ビレッジ(0人〜1999人)

   タウン(2000人〜9999人)

   シティ(10000人〜49999人)

   キャピタル(50000人〜99999人)

   メトロポリス(100000人〜499999人)

   メガロポリス(500000人〜)

 

 さらに、人口600000人を達成すると、

 「あなたは、優秀な市長として住民より表彰されることになりました」

 とのメッセージが流れる。これが、このモードにおける一応のクリアと言えるだろう。

 自由な都市を作れることが、このゲームの最大の魅力だと思うのだが、人口増加に重きを置いたメガロポリスを作ろうと思ったら、それは叶わない。

 先ず、水域が少ないマップを選ばなければならない。限られたスペースで埋め立てを行う事は可能なのだが、原則として水域には、陸地の様な建設を行う事はできない。したがって、水域の多いマップでは、それだけ建設可能区域も少なくなり、人口の増加が望めないのだ。人口増加の都市づくりの観点からお勧めのマップは、「No.61」である。水域が少ない上に、一定の箇所に集中しているので、自由に使える陸地がとても多い。

 また、交通渋滞が発生して人口の減少に繋がるので、基本的に道路は作れない。線路を引いて交通手段を整える事になる。

 さらに、住宅地を建設すると一定の割合で、学校や病院に成る事があるのだが、これらの施設には人口が発生しないので、すぐに潰して住宅が現れるまで再建設する事になる。

 このように、人口増加に重きを置くと自由度は失われ、道路・学校・病院が存在しないという、現実世界ではあり得ない都市を作らざるを得なくなる。陸地での移動は全て電車で、子供が通う学校は無く、病気になったら他の町まで行かないと病院に掛かれない。こんなところ、僕は絶対に住みたくない。(笑)

 

 ●シナリオ

 6箇所の都市で起きる問題を解決して人口を増やし、健全な状態にしていく。シナリオの具体的なクリア条件は、人口100000人以上で得点が500点以上である。都市が抱えている問題が少ないほど、得点は高くなる。全てクリアすると、2つの隠しシナリオをプレイできるようになる。以下、シナリオの内容を紹介する。

 

 ◆サンフランシスコ

  地震で崩壊したサンフランシスコの街並みを復興させる事が目的。

 

 ◆ベルン

  ベルンの交通渋滞を解消する事が目的。

 

 ◆東京

  マリオシリーズでお馴染みのクッパが破壊した東京を、復興させるのが目的。

 

 ◆デトロイト

  デトロイトの犯罪発生率を下げるのが目的。

 

 ◆ボストン

  原発による放射能災害が発生したボストンを復興させるのが目的。

 

 ◆リオデジャネイロ

  大洪水の被害を受けたリオデジャネイロを復興させるのが目的。

 

 ◆ラスベガス(隠しシナリオ)

  UFOに何度も攻撃され、破壊されたラスベガスを復興させるのが目的。

 

 ◆フリー計画(隠しシナリオ)

  水域が全く無い、全てが陸地のマップで自由に都市を作れる。

 

 以上がゲームの概要である。自らが市長となって好きな都市を作る事ができるというのは、とても面白い発想だと思う。また、都市づくりの中に発生する犯罪発生率や公害等の諸問題は、警察署を建てたり、工業地区の設置場所を考えたりして、自ら対処していく。さらに税率を定めて住民から税金を徴収し、銀行から融資を受けられる等、本格的な都市経営を実感できるシステムである。

 しかし、前述のごとく人口増加に重きを置くと、現実ではあり得ない都市を作らざるを得ないというのが、マイナス面だ。発想やシステムが素晴らしいだけに、この点は本当に残念だ。

 とは言え、都市の人口数に拘らなければ、好きなマップに自由な都市を作る事ができ、とても面白いゲームだ。未プレイの方は、是非やってみて欲しい。

 

 今回は以上。

 それではまた!