東京オリンピックの危険性

 未だに本年(2021年)の東京オリンピックについて中止決定のアナウンスは無く、開催に向けて準備が進められているという事実は、個人的には到底、受け入れ難い。

 

 既に東京オリンピックに出場予定の海外選手団の第一陣として、オーストラリアの女子ソフトボールの選手が、6月1日に来日したとのことである。

 

 菅総理大臣は、

 「安心、安全なオリンピック」

 という言葉を口にされているが、僕にはどうしても、

 「不安、危険なオリンピック」

 としか思えない。

 

 以下で、その理由を述べてみたい。

 

 1.新型コロナと熱中症のダブルパンチ

 

 今年の夏は、かなりの猛暑になることが予想されている。暑さのピークは、7月下旬と8月下旬の2回になる予想だが、東京オリンピックの開会式は、7月23日が予定されている。まさに、1回目の暑さのピークと被っている。35℃以上になると思われる猛暑下で競技を行えば、いかにアスリートといえども、熱中症患者が続出するだろう。新型コロナウイルス感染症熱中症は、似たような症状が多く、区別が難しいとのことだ。

 この様な状況で医療従事者は、オリンピック競技で発生した体調不良者の救護に当たるのである。あまりにも危険極まりない。しかもオリンピックは、世界各国から選手が来日する。言語が通じずに、意思疎通を図るのが難しい状況下で、果たして適切な処置が行えるのだろうか…

 

2.新たな変異株発生と国内及び世界への拡散の恐れ

 

 言うまでもないが、新型コロナウイルスは全世界で感染が拡大している。その中でウイルスは変異を繰り返し、従来株よりも感染しやすく、重症化しやすい可能性があるというイギリス株や、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性があるという、南アフリカ株等が確認されている。繰り返しになるが、オリンピックでは世界中から選手と関係者が、東京またはその隣県に集まる。つまり、世界中の新型コロナウイルスを、日本国内に集めてしまう可能性も高いということだ。もし、世界中のウイルスが集合して新たな変異株を発生させ、そんなものが日本国内及び世界へ拡散されたらと思うと、背筋が凍る思いになる。

 

 

 この様に、新型コロナウイルスが全世界で感染拡大している状況下で、さらに猛暑の中でオリンピックを開催することは、あまりにも危険だと思う。あまり考えたくないことだが、開催中に死者が出てしまう可能性も、否定できないだろう。国際オリンピック委員会(IOC)が、東京オリンピック参加予定の選手らに提出を義務づける参加同意書では、

 「コロナやその他の感染症、猛暑により、健康被害や死亡に至る可能性がある」

 ことに同意を求めているとのことだ。

 

 参加選手は勿論、その後の日本国民や全世界の人々に、危機をもたらす可能性を伴ってまで、オリンピックを開催すべきではないと思う。オリンピックを見つめて努力を重ねてきた選手には、とても不憫な話ではあるが、事は人命に関わる。

 

 オリンピック開会式の日付は、刻々と迫っているが、関係者の方々には、いま一度、大会開催の危険性を、よく考えて頂きたいと思う。

 

 今回は以上。

 それではまた!